2026-05-15

幼児・小学生の英語力は「ごっこ遊び」で伸びる?

英語学習で’’遊び’’が本当に大切な理由

「英語を習わせるなら、早く単語を覚えた方がいい?」
「フォニックスや文法を先にした方がいいのかな?」英語教育について考え始めると、保護者の方からよくそんな声をいただきます。

もちろん、単語や読み書きも大切です。でも、幼児期や小学校低学年の子どもたちにとって、それ以上に大切だと感じるのが、“英語を使いたくなる経験”です。

その土台になるのが、「ごっこ遊び」を通した英語学習です。
最近では、幼児英語教育・英語脳・非認知能力・CLILなど、さまざまな教育キーワードが注目されていますが、実はその根っこには、“体験の中で学ぶ”という共通点があります。
英語を「知識」として覚える前に、“ことば”として感じること。

この順番が、子どもの英語力を大きく左右しているように感じます。

子どもは、「必要だ」と感じた言葉を驚くほど自然に吸収します。
例えば、お店屋さんごっこ。
“Apple”“Banana”と単語だけを覚えるより、 「What would you like?(何にしますか?)」
「Here you are.(はい、どうぞ)」 「Thank you!(ありがとう!)」 と、
やり取りの中で使う方が、言葉が“生きた英語”として深く記憶に残ります。

これは、近年重視されている「コミュニケーション中心の英語教育」にもつながっています。
英語は本来、誰かと気持ちをやり取りするためのもの。
「伝えたい」「やってみたい」という気持ちが動いた瞬間に、子どもの学びは一気に深くなるのです。

ごっこ遊びには、決まった答えがありません。
「今日はカフェを開こう!」「ペット病院がいい!」
そんな自由な世界の中で、子どもたちは自分で考えながら言葉を使います。
実はこの時間、ただ英語を話しているだけではありません。

・どう伝えるか(表現力)
・相手はどう感じるか(共感性)
・何を言えば通じるか(思考力)

こうした「非認知能力(考える力・伝える力・協働する力)」が同時に育っています。
英語力だけではなく、“自分の考えを表現する力”が、遊びを通じて自然に養われていくのです。

さらに、ごっこ遊びの中では、「相手がいる」という感覚も育っていきます。
自分が話した言葉に相手が反応し、会話が続いていく。
その経験を通して、子どもたちは“言葉は人とつながるためにある”ことを体感していきます。

時には、自分の思いがうまく伝わらず、言い直したり、違う言葉を探したりする場面もあります。ですが、その試行錯誤こそが、実はとても大切な学びです。

「どうしたら伝わるかな?」
「こう言えば分かるかも!」

そんな小さな工夫の積み重ねが、“考えながら話す力”を育てていきます。

そして何より、ごっこ遊びの中で生まれる笑顔やワクワクした気持ちは、「英語=楽しい」という感覚につながります。この前向きな記憶こそが、
これから先の英語学習を支える、大きな土台になっていくのだと思います。

英語を嫌いになる大きな理由の一つが、
「間違えるのが恥ずかしい」という気持ちです。

でも、ごっこ遊びの中では、“正解”よりも“楽しさ”が先にあります。
だから子どもたちは、

「I want an ice cream!」
「Two juice, please!」

そんな、少し不完全な英語でも、どんどん口にします。

そして、「通じた!」「言えた!」という経験を積み重ねながら、少しずつ自信をつけていきます。

この“英語を話すことへの抵抗感の少なさ”は、将来の英語学習にとても大きく影響します。

小さい頃に、「英語って怖くない」「伝わるって楽しい」
と感じられた子は、その後の伸び方が大きく変わっていきます。

英語力は、単語をどれだけ知っているかだけではなく、
「伝えてみよう」と思える心の動きによっても大きく変わります。
だからこそ幼い時期には、“間違えないこと”より、“やってみたい気持ち”を大切にしてあげたい。
安心して言葉を出せる経験は、やがて「自分の言葉で話せる力」へとつながります。

英語教育というと、どうしても単語数や文法、英検の級といった「目に見える成果」に
目が向きがちです。もちろん、それらも成長の証として大切な要素です。

でも、長く英語を続けていくために、それ以上に重要なことがあります。
それは、学びの入り口で「英語が好き」「もっと伝えたい」「またやりたい」という
みずみずしい気持ちが育まれていることです。

楽しい記憶は、一生続く学びの揺るぎない土台になります。

特に感受性豊かな幼児期・小学生の時期だからこそ、“勉強”という枠組みに閉じ込めてしまう前に、
自分の言葉で世界が広がる瞬間の「ワクワクする高揚感」をたくさん積み重ねていきたいのです。

それは単に浮き立つような楽しさだけではありません。
「自分の想いが相手に届いた」という知的な喜びであり、自分自身を深く知っていく旅の始まりでもあります。この「楽しい!」という確かな手応えが根っこにあるからこそ、
将来、より高度で困難な学習に直面したとき、自らの足で乗り越えていける強さへと
繋がっていくのだと思います。

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