
幼児の英語教育で本当に大切なことは「やらせること」ではなく「関わり方」。
間違いを直さない・正解を急がない・英語を特別にしないという3つの視点から、ふだんの関わりの中で感じていることを、綴っています。
「ちゃんとやらなきゃ」と思ったときに
「英語、ちゃんとやらせなきゃ」
そう思ったとき、
やることが増えていく。
ワークを足して、
動画を見せて、
正しく言わせようとして。
気づいたら、
“ちゃんとやること”でいっぱいになる。
そんな風に感じたことはありませんか?
でも、私がレッスンの中で見ているのは、
少し違う景色です。
「…dog」
小さな声でつぶやく子。合っているかな、という顔でこちらを見る。
もう一度聞くと、
少しだけ大きな「dog!」
そして、まわりの子と笑う。
このとき、その子の中で起きているのは、
“単語を言えた”ことではありません。
「言ってもいいんだ」その安心です。
間違いをすぐに直さない
子どもが口にした英語に、つい手を入れたくなる瞬間があります。
正しくしてあげたい。ちゃんとできるようになってほしい。
その気持ちは、とても自然なものです。でも、その一言が入ることで、
言葉が止まることがあります。
英語は、まず出てくることが大切です。
少し違ってもいい。形が整っていなくてもいい。
出てきた言葉が、そのまま受け止められることで、
「言ってもいい」という空気が残ります。
その空気の中で、子どもは少しずつ、
ことばを外に出すことに慣れていきます。最初は小さくて、頼りない一言でも、
繰り返すうちに、少しずつ形が整っていく。
直されなかった言葉は、消えてしまうのではなく、
その子の中で、静かに育っていきます。
そしてある日、ふとした瞬間に、前よりも自然な形で、口から出てくる。
その積み重ねが、
“自分の言葉として使える英語”へとつながっていきます。
急がなくていい。
整えるのは、あとからでも間に合います。
正解をいそがない
「それ、英語でなんて言うの?」
そんな場面もあります。少しだけ待ってみると、子どもは自分の中から言葉を探し始めます。
すぐに出てこなくても、その時間は止まっているわけではありません。
見えないところで、ことばが形になろうとしている時間。
急がなくていい。
その子の中で出てきた言葉は、ちゃんと、その子のものになっていきます。
すぐに答えを教えてしまえば、
その場ではきれいに整うかもしれません。
でも、少し待った時間の中で見つけた言葉は、その子の中に、しっかりと残っていきます。
うまく言えなくてもいい。
途中で止まってもいい。
考えているその時間ごと、大切にしていきたいものです。
その繰り返しの中で、
少しずつ、言葉は“自分のもの”になっていきます。
英語を特別なものにしすぎない
「さあ、英語の時間だよ」と構えるよりも、
ふとした会話の中で出てくる一言や、
笑いながら交わすやりとりの中にある英語のほうが、
自然に残っていきます。
英語を特別なものにしすぎないこと。
それは、英語との距離を近づけることでもあります。
日常の中に、ほんの少し混ざる英語。
「Look」
「It’s big」
そんな短い一言でも、
その場の空気と一緒に、やわらかく残っていきます。
勉強として切り分けられた時間よりも、
何気ない瞬間に出会った言葉のほうが、
ふっと思い出されることもあります。
特別にしすぎないことで、英語は“頑張るもの”から、
“そばにあるもの”へと変わっていきます。
そんな関係を英語と築けるのは、日々の何気ないやりとりの中にあるのだと思います。
英語は、急いで身につけるものではなく、日々の関わりの中で、少しずつ育っていくもの。
正しく言うことよりも、
出してみようと思えること。
その気持ちを大切にした時間が、やがて、自分の言葉へとつながっていきます。
目に見える変化だけでなく、
見えない時間も含めて、すべてが大切な一歩です🌱
言葉は、教え込まれるものではなく、その子の中で、ゆっくりと形になっていくもの。
今はまだ小さな一言でも、
やがてその子らしい表現へと育っていきます。
焦らなくていい。比べなくていい。
その歩みの中に、ちゃんと意味があります。
静かに積み重なる時間が、未来の大きな力になっていくのではないでしょうか。



