
幼児期に大切なのは、英語を覚えることよりも「ことばを楽しむこと」
梅雨の季節や、お出かけできない雨の日。 外で思い切り遊べず、
「今日は何をして過ごそうかな……」と頭を悩ませることはありませんか?
子どもたちにとって、雨の日は少し退屈な時間かもしれません。
しかし、18年以上子どもたちと関わる中で、「雨の日には、晴れの日にはない特別な価値がある」と感じています。
それは、親子でゆっくりと「ことば」に向き合えること。
慌ただしい毎日から少しだけ離れて、一冊の絵本を開く。
同じページを見つめながら、一緒に笑ったり、不思議に思ったり、感じたことをおしゃべりする。
そんな何気ないひとときが、子どものことばの力を育てる大切な土台になります。
そしてその土台は、日本語だけでなく、未来の「英語力」へとしっかりつながっていくのです。
1. 雨の日に英語絵本を読む、本当の意味
英語教育の世界にいると、保護者の方からよくこんな質問をいただきます。
- 「英語は何歳から始めればいいですか?」
- 「どれくらい単語を覚えさせればいいでしょうか?」
もちろん、知識を身につけることも大切です。
しかし、幼児期にそれ以上に価値があるのは、数値化できない「心の動き」です。
- 「英語って、なんか面白い!」
- 「この絵本、また読んで!」
- 「もう一回、あの音を聞きたい!」
子どもたちは、大好きな絵本なら何度でも「読んで」とせがみます。
同じフレーズを繰り返し聞き、同じ場面で笑い、そうして少しずつ、
身体に染み込ませるようにことばを吸収していくのです。
これは、私たちが母国語(日本語)を身につけていったプロセスとまったく同じ。
だからこそ幼児期の英語は、机の上の「学習」ではなく、五感で味わう「体験」であってほしいのです。
「英語に触れる時間が、心地よくて楽しい」。その記憶の積み重ねこそが、将来の確かな英語力を支える根っこになります。
2. 絵本が育てるのは、英語の「知識」だけではない
絵本の本当の魅力は、ただ英語の表現を学べることではありません。
本当に価値があるのは、読み終わったその後に生まれる「親子の対話」に…
- 「この子、すごく楽しそうだね。どうしてかな?」
- 「もしあなたがこの絵本の主人公なら、どうする?」
こうした問いかけに、正解はありません。
正解がないからこそ、子どもたちは否定される不安を持たず、安心して自分の「感じたこと」をことばにできます。
教室のレッスンでも、「正しい答えを言うこと」より「自分の考えを伝えること」を一番大切にしています。
なぜなら、将来子どもたちが社会に出たときに本当に必要となるのは、単なる暗記知識ではなく、
「自分の考えを持ち、それを相手に届ける力」だからです。
単語をどれだけたくさん知っていても、伝えたい中身(想い)がなければ会話は続きません。
幼児期にこそ、「感じる・考える・話す」という経験を、絵本を通してたくさんストックしてほしいと
願っています。
雨の日におすすめの英語絵本3選
雨の日のファーストステップとして、親子で楽しめる3冊を厳選しました。
難しい英語ではなく、どれもシンプルで短い文章のものが多いのでお子さんの一緒に楽しめるものばかり。
1、Maisy’s Wonderful Weather Book
https://amzn.to/4fsO3QV
子どもたちに大人気のメイシーちゃんシリーズ。晴れ、雨、風、雪など、楽しいしかけを通して直感的に天気を学べます。小さなお子さまでも飽きません。
読み終わったら、窓の外を見て
“What’s the weather like today?”
と声をかけてみてください。絵本の世界と現実がリンクする瞬間です。
2、Rain Rain Go Away
https://amzn.to/3PMnITx
英語圏で古くから親しまれているナーサリーライム(わらべ歌)をベースにした絵本。リズムの良い繰り返しが心地よく、幼児期にぴったり。
英語はまず「音」を楽しむことから。お気に入りのメロディに乗せて歌いながらページをめくることで、自然と英語特有のイントネーションが身につきます。
3、Hello world Weather
https://amzn.to/3PQMMsx
雨、風、雲など、身近な自然現象をわかりやすく紐解く知育絵本。「どうして雨は降るの?」という子どもの素朴な疑問に応えます。
子どもの「なぜ?」という好奇心を刺激する一冊。「知りたいから、聞く」「伝えたいから、ことばが必要になる」という、本来の学びのサイクルが生まれます。
英語は「覚えるもの」ではなく「伝えるもの」
私たち大人は、つい目に見える成果を求めてしまいがちです。
「単語を何個覚えたか」「どれくらい綺麗に発音できるようになったか」。もちろん、それらも成長のグラデーションの一部です。
しかし忘れないでほしいのは、英語は本来、人と人、心と心をつなぐためのツールだということです。
- 「ママ、見て!」
- 「これ、おもしろいよ」
- 「私はこう思うな」
そんな愛おしい想いを伝えるために、ことばは存在します。
教室で育てたいのは、ただ「英語が得意な子」ではありません。
英語というツールを使って、自分のことばで世界と関わり、知的探究心を広げながら人生を豊かに切り拓いていける力。それこそが、英語教育の本当のゴールだと信じています。
まとめ:雨の日は、未来への「種まき」の日
一冊の絵本を、一緒に開く。 同じ場面で、笑い合う。 心地よいリズムを、歌ってみる。 感じたことを、たどたどしくても言葉にしてみる。
一見、何気ない日常のひとコマかもしれません。しかし、その温かい時間の積み重ねは、子どもたちの心に深く根を張っていきます。
幼児期に育まれた「ことばって楽しい!」「自分の想いが伝わると嬉しい!」というピュアな感覚は、将来本格的に英語を学ぶとき、彼らの背中を押す最大の原動力になります。
雨の日は、「外遊びができない残念な日」ではありません。 子どもたちの未来へ、豊かなことばの種をまく特別な日です。
ぜひ、お気に入りの一冊を広げて、親子だけの愛おしい会話を楽しんでみてください。
その穏やかな時間が、子どもたちの未来の可能性を広げる、大切な第一歩になりますように。



