
子どもの英語力を本当に伸ばすために大切なこと
「うちの子、英語教室に通っているのに話せないんです。」
教室には通っているけれど、英語には触れているのに、、度々こんな相談を受けることがあります。
英単語も覚えている。文法も少しずつ理解している。
英検にも取り組んでいる。それなのに、いざ英語を話そうとすると言葉が出てこない。
実は、この悩みは珍しいことではありません。
保護者の方からすれば、「これだけインプットしているのだから、少しはアウトプットがあってもいいはず」
と思われるのも当然です。
しかし、子どもたちの頭の中では、単語や文法という「点」の知識がまだ綺麗に繋がっていない状態なのかもしれません。
「覚える英語」だけでは話せるようにならない理由
英語学習では、単語や文法を覚えることはもちろん必要です。
土台がなければ、英語を使うことはできません。
しかし、それだけでは英語は「知識」のままで終わってしまいます。
例えば、「apple=りんご」「I like dogs.=私は犬が好きです。」は答えられても、
「あなたは何が好き?」「どうしてそう思うの?」と聞かれると止まってしまう子が少なくありません。
英語は、本来コミュニケーションのための言葉です。
知識だけではなく、「考えを伝える経験」があって初めて身についていきます。
「あなたは何が好き?」
「どうしてそう思うの?」
という質問は、まったく別物です。
これは、自分の心の中にある「まだ言葉になっていない気持ちや理由」を自分で探しに行き、
知っている英語をかき集めて組み立てる「表出(クリエイティブな英語)」の作業。
つまり、「英語が出ない」のではなく、「自分のカケラを英語の形にする訓練」がまだ始まったばかりなだけなのです。
先日、教室で見られた、小さな変化
以前、レッスンでこんな子がいました。話す前に必ず、
「先生、これで合っていますか?」と確認するのです。
間違えることが怖く、自信が持てませんでした。
そこで私は、「正解」を教える前に、「あなたはどう思う?」
「どうしてそう考えたの?」と問いかける時間を増やしました。
すると少しずつ、
“I think…”
“Because…”
という言葉が自然に出てくるようになりました。文法はまだ完璧ではありません。
それでも、自分の考えを伝えようとする姿勢は、以前とはまったく違っていました。
本当に伸びる子どもの英語教育とは
英語力が伸びる子には共通点があります。
それは、「正解を探す」のではなく、「自分の言葉で伝える」経験を積んでいることです。
英語教室で学ぶ時間だけではありません。
家庭でも、「今日は何が楽しかった?」「どう思った?」そんな会話を増やすことが、英語力にもつながります。母語で考える力は、英語で考える力の土台になるからです。
実際、英語で自分の意見を伝えられる子は、日本語でも「なぜそう思うのか」を話す習慣があります。
反対に、知識はあっても自分の考えを言葉にする機会が少ないと、英語になった途端に言葉が止まってしまうことも少なくありません。
だから教室ではレッスンの中で「正解を答える問題」だけで終わらせないようにしています。
「あなたならどうする?」「どうしてそう思ったの?」という問いを大切にし、
一人ひとりの考えを引き出す時間をつくっています。
英語は単なる教科ではなく、人とつながるためのコミュニケーションツールです。
その土台となるのは、自分の考えを持ち、それを相手に伝えようとする力。
その力は、一朝一夕で身につくものではありません。日々の親子の会話や教室での対話の積み重ねが、
やがて「英語で伝えられる子」を育てていくのです。
私が英語教室で大切にしていること
教室は、ただ英語のスキルを詰め込む場所ではありません。
日々、子どもたちと向き合う中で、本当に育んでいきたいのは、
自分で考え、自分の言葉で伝え、相手の考えにも、優しく耳を傾けられること。
世界中の人と繋がれる英語という言葉は、そのための素晴らしいツール(道具)です。
だからこそ、日々のレッスンでは単語や文法をただ暗記させることはしません。
子どもの内側から溢れ出る、「伝えたい!」というピュアな気持ち。
それを何よりも大切に、じっくりと育てる時間を重ねています。
集めた英語の知識という「種」が、子どもたちの「伝えたい!」という豊かな土壌で芽吹くとき、
言葉は初めて、生きた道具になります。
「うちの子、まだ話せなくて……」と焦る必要はまったくありません。
いまはお家で「今日、何が楽しかった?」「どう思う?」と、
たくさん心の土を耕してあげてくださいね。
その耕された土壌の上に、お子さんだけの素敵な言葉が花開く瞬間を、
これからもご家族と一緒に、あたたかく見守っていきたいと思っています。




