
大学受験の半分以上が推薦・総合型選抜の時代。高3生の目の色が変わった瞬間から見えた、幼児・小学生のうちから育てておきたい「本当に必要な力」とは?自分で考え、未来を語れる土台作りについて綴ります。
こんにちは!
最近、教室の高校3年生の生徒たちと、これからの進路や未来の話をする機会がグッと増えています。
「大学受験」という言葉を聞くと、多くの方はどんな風景を思い浮かべるでしょうか。
おそらく、「共通テストに向けて必死に過去問を解き、一発勝負の一般入試で大学に進学する」という、私たちが経験してきたような風景を想像される方が、まだまだ多いかもしれません。
しかし、現在の大学受験のリアルは、私たちが受験生だった頃とはガラリと様変わりしています。
実は今、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜など、ペーパーテストの点数だけで測らない受験の形が当たり前になり、推薦枠での進学者数は全体の5割を超えているのです。
今の入試で深く評価されるのは、単なる暗記の量ではありません。
- 「なぜ、他の大学ではなく『この大学のこの学部』で学びたいのか」という強い目的意識
- 「高校時代の3年間で、どんなことに主体的に向き合い、行動してきたか」というプロセス
つまり、覚えた知識を吐き出す学力だけでなく、
「自分という人間がどう生きていきたいか」を伝える力が必要とされる時代になっています。
夏休みを前に、高校3年生の表情が変わってきた理由
そんな激変する受験の仕組みや、社会で求められているリアルな話を、
教室の高校3年生たちとじっくり重ねていた時のことです。
生徒たちの行動や姿勢に、少しずつ、でも確実に「ある変化」が見え始めました。
受験生にとってはとても大事な時期と言われる夏休みを前にして、
自分で積極的に志望校のカリキュラムを調べたり、
「先生、私のやりたいことの場合、どの受験方式が一番合っていますか?」と具体的な質問をしてくれたり、今まで以上に英語に取り組む意識が変わってきているのを感じます。
教室の中に、今までとは少し違う、心地よい緊張感と熱い空気が満ちるようになってきたのです。
そして何より、子どもたちの「表情」そのものが劇的に変わってきました。
それまではどこか、受験勉強を「やらされるもの」「合格するためにやり遂げるもの」として
義務感で捉えていた子どもたちが、「自分の未来を自分で切り開くために、今これに取り組むんだ」と、
自分の意志で考え始めたように見えるのです。
「やらなきゃ」から「こうなりたい」へシフトした子の強さ
人は誰しも、「やらなければいけない」という強制やプレッシャーだけでは、なかなか本当の力は出ません。
仮に動けたとしても、どこかで息切れを起こしてしまうでしょう。
でも、
- 「私は将来、こんな社会課題を解決したい」
- 「だから、どうしてもこの大学のこの教授のもとで学びたい」
という、自分の内側から湧き出るワクワクする目標が見えた時、子どもたちは驚くほどの主体性を発揮し、
行動を自ら変えていきます。
目の色を変えて、自分の未来にまっすぐ向き合い始めた高校生たちの背中を見ていて、
私自身、人間の持つ自発的なエネルギーの爆発力に、日々深い感動をもらっています。
受験の多様化から逆算する、小さな頃から育てておきたい
こうして高校生のたくましい成長や、多様化する大学受験の姿をすぐそばで見つめていると、
一つの確信にたどり着きます。
それは、「じゃあ、子どもたちが小さいうちから、家庭や教室でどんな環境を用意し、どんな力を育てておけばいいのだろう?」という、教育の本質的なロードマップです。
これからの時代を生きる子に必要なのは、単語をただ機械的にたくさん暗記することでも、
テストで目先の高得点を取るためのテクニックだけでもありません。
受験の直前に、面接の模範解答を丸暗記したところで、
本質を見抜く今の入試ではすぐに見透かされてしまいます。
本当に大切なのは、もっと根っこにある以下のような力です。
- 世の中の出来事に興味を持ち、自分の考えをしっかり持つこと(知的好奇心)
- 「なぜそう思うのか」の理由を論理的に説明し、相手に伝えること(表現力・応用力)
- 周りに流されず、自分の責任で選択し、行動すること(主体性)
これらの力は、机の上でペーパーテストを解いているだけでは決して身につきません。
日々の生活の中で、誰かと対話し、自分の頭で考える経験をどれだけ積んできたか。
その積み重ねこそが、これからの時代を生き抜く一生ものの力になります。
幼児・小学生クラスでの「Why?」が未来の大きな土台に
だからこそ当教室では、幼児クラスや小学生クラスの小さな子どもたちに対しても、
日頃のレッスンの中で「Why?」「どうしてそう思うの?」という問いかけを、何よりも大切にしています。
たとえば、絵本を読んだあとに「どうしてこの主人公はこんな行動をしたと思う?」と聞いてみたり、
クイズに答えたあとに「なんでそう考えたの?」と理由を尋ねてみたり。
もちろん、最初はうまく言葉にできなくて、うーんと考え込んでしまう子もいます。
そこで大人が先回りして答えを教えてしまうのではなく、じっくりと待ってあげる。
どんな不器用な言葉であっても、「間違えなんてないよ、あなたの考えを聞かせてね」と優しく受け止める。
この温かい安心感の中で、子どもたちは少しずつ、自分の頭で深く考え、自分の言葉で表現する楽しさを知っていきます。
この一見遠回りに見える「密度の濃ゆい対話の積み重ね」こそが、将来の大学受験でのプレゼンテーションや論文、面接の場面で、自分の言葉で堂々と想いを語れる「本当の力」へと繋がっていくのだと確信しています。
形は変わっても、人として本当に大切な力は変わりません
夏休みは、高校3年生にとって自分自身と深く向き合う、特別で、少しタフな時間です。
今年もまた、自分の未来に向かって目の色を変え始めた生徒たちの成長の物語を、応援、伴走できることが今から楽しみで仕方がありません。
それと同時に、幼児・小学生クラスの子どもたちが日々楽しそうに取り組んでいる
「自分で考えて、伝える」という一歩一歩も、確実にその先の素晴らしい未来に一本の線で繋がっているのだと、日々感じながらのレッスンを重ねています。
時代の変化とともに、教育の制度や受験の形は変わっていくかもしれません。
でも、人間として本当に必要な根っこの力は、いつの時代も変わりません。
自分で考え、自分の言葉で、自分の未来を堂々と語れること。
その一生ものの土台を、教室にきてくれる子どもたちと一緒に、今日もコツコツと、温かく大切に育てていきたいと思います。





